新型コロナウイルス感染症による厳しい経済状況が続くなか、政府は、社会経済活動の正常化や各種政策の効果、海外経済の改善もあって、景気の持ち直しが期待されるとしつつも、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意し、新たな変異株による感染拡大と内外経済の影響、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があるとしている。
このように先行き不透明な社会経済状況の下、令和4年度の地方財政計画においては、地方が、地域社会のデジタル化や公共施設の脱炭素化、消防・防災力の一層の強化等に取り組みつつ、安定的な財政運営を行うために必要となる地方交付税等の一般財源総額について、前年度と同水準を確保することを基本とした地方財政対策が講じられている。
さらに、長引く経済活動の停滞による税収の減少や少子高齢社会の進展に伴う社会保障関連経費の増高も見込まれることから、地方の財政運営は、さらに厳しさを増していくものと考えられる。
こうした状況を踏まえ、「第4次三川町総合計画」に掲げた種々の事業を着実に推進するために必要な財源の確保や、行政経費全般にわたる歳出の節減などによる財政の健全性を確保するため、令和3年度の決算見込み等を踏まえ、地方財政計画や地方経済の見通しなどを勘案し、令和4年度から5か年にわたる財政運営の指針として、この計画を策定したものである。
- 町税については、新型コロナウイルス感染症や原材料価格高騰の影響等により、企業収益や給与所得等の悪化が懸念されることから、町民税の減収を見込んだ。さらに、固定資産税や軽自動車税、たばこ税、入湯税については、ここ数年の推移を基に推計した。
- 地方交付税については、令和3年度限りとして基準財政需要額に算入された臨時経済対策費相当額が減となることを見込んだものの、地方財政計画を踏まえ、令和4年度以降は、ほぼ同水準で推移するものとして計上した。
- 地方譲与税等については、令和3年度に特例として交付された新型コロナ対策地方税減収補填特別交付金が、令和4年度以降は減となるものとして、地方財政計画を基に推計した。
- 国県支出金については、現行制度における基礎的な水準を維持できるものとして計上したほか、近年の社会保障関連経費の傾向と、年次ごとに整備を予定している施設等の整備・改修に充てる国県支出金を踏まえて計上した。
- 繰入金については、令和3年度に策定した公共施設等総合管理計画において予定されている大規模事業や、桜木地区住環境整備関連事業費、一般廃棄物焼却施設整備事業に係る負担金などについて、それぞれの年度における経費見込み等に基づき、ふるさと基金や教育施設整備基金、温泉施設基金等の特定目的基金について、計画的な繰入れを行うこととして計上した。
- 町債については、計画期間内に予定している普通建設事業費を基に計上した。なお、町債残高を抑制するため、実施事業の内容や実施年度の見直し・調整を図り、各基金を活用しながら、必要最小限の町債借入額として計上している。また、臨時財政対策債は地方財政計画に基づき推計した。
- その他については、令和3年度決算見込みを基に負担金や使用料等を推計して計上した。なお、ふるさと応援寄附金については、令和4年度以降も年間4億円程度の採納があるものとして計上した。
歳出については、事務事業の見直しを含む行政経費全般の抑制を基本に計上した。特に、普通建設事業については、健全財政を堅持するため、実施事業の内容や実施年度の見直し・調整を図ることを前提として計上している。
- 人件費については、民間保育所の開所に伴う町直営保育園・幼稚園の会計年度任用職員の職員数の調整に加え、令和2年度に策定した定員適正化計画をもとに推計した。
- 物件費については、新型コロナウイルス感染症対策のため、令和2年度から4年度渡って一時的に増加したものの、令和5年度以降については、当該増加分の減を見込んで計上した。
- 扶助費については、年々増加傾向にあるため、令和3年度決算見込み及び令和4年度予算を基に、各年度約3.8%増として推計した。
- 公債費については、これまでの借入分を償還計画に基づいて算定するとともに、令和4年度以降の借入分についても積算し、計上した。
- 補助費等については、新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金を活用した補助金の減などを見込んだが、コロナ禍で落ち込んだ地域経済を回復させるため、引き続き町内企業の事業支援に取り組むために必要となる予算を見込んで計上した。
- 普通建設事業費については、公共施設等総合管理計画において予定されている大規模事業や、桜木地区住環境整備関連事業費、一般廃棄物焼却施設整備事業に係る負担金などについて計上したほか、財政指標への影響を考慮して事務事業を精査し、必要最小限度の事業実施を見込んで計上した。
- その他については、令和3年度決算見込み及び令和4年度予算を基に維持補修費や特別会計繰出金を推計したほか、各基金への積立金を計上した。
三川町中期財政計画(令和4年3月)(単位:百万円)
三川町中期財政計画-1
項目 |
令和3年度 見込み |
令和4年度 見込み |
令和5年度 見込み |
令和6年度 見込み |
令和7年度 見込み |
令和8年度 見込み |
町税 |
1,012 |
1,000 |
1,000 |
1,000 |
1,000 |
1,000 |
地方交付税 |
1,856 |
1,786 |
1,786 |
1,786 |
1,786 |
1,786 |
地方譲与税等 |
294 |
280 |
280 |
280 |
280 |
280 |
国県支出金 |
1,160 |
886 |
873 |
888 |
903 |
918 |
繰入金 |
498 |
307 |
366 |
243 |
196 |
214 |
町債 |
544 |
415 |
232 |
280 |
260 |
350 |
その他 |
593 |
552 |
552 |
552 |
552 |
552 |
歳入合計 |
5,957 |
5,226 |
5,089 |
5,029 |
4,977 |
5,100 |
三川町中期財政計画-2
項目 |
令和3年度 見込み |
令和4年度 見込み |
令和5年度 見込み |
令和6年度 見込み |
令和7年度 見込み |
令和8年度 見込み |
人件費 |
988 |
979 |
979 |
979 |
979 |
979 |
物件費 |
1,017 |
957 |
800 |
800 |
800 |
800 |
扶助費 |
551 |
572 |
594 |
617 |
640 |
664 |
公債費 |
432 |
433 |
472 |
506 |
494 |
507 |
補助費等 |
641 |
578 |
578 |
578 |
578 |
578 |
普通建設事業費 |
1,107 |
618 |
564 |
446 |
388 |
517 |
その他 |
940 |
836 |
834 |
838 |
842 |
846 |
歳出合計 |
5,676 |
4,973 |
4,821 |
4,764 |
4,721 |
4,891 |
三川町中期財政計画-3
項目 |
令和3年度 見込み |
令和4年度 見込み |
令和5年度 見込み |
令和6年度 見込み |
令和7年度 見込み |
令和8年度 見込み |
翌年度に繰越すべき財源 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
三川町中期財政計画-4
項目 |
令和3年度 見込み |
令和4年度 見込み |
令和5年度 見込み |
令和6年度 見込み |
令和7年度 見込み |
令和8年度 見込み |
実質収支 |
277 |
253 |
268 |
265 |
256 |
209 |
三川町中期財政計画-5
項目 |
令和3年度 見込み |
令和4年度 見込み |
令和5年度 見込み |
令和6年度 見込み |
令和7年度 見込み |
令和8年度 見込み |
基金残高 |
1,344 |
1,272 |
1,102 |
1,075 |
1,115 |
1,137 |
三川町中期財政計画-6
項目 |
令和3年度 見込み |
令和4年度 見込み |
令和5年度 見込み |
令和6年度 見込み |
令和7年度 見込み |
令和8年度 見込み |
町債残高 |
6,096 |
6,110 |
5,902 |
5,707 |
5,504 |
5,377 |
分担金、負担金、使用料、手数料、財産収入、寄附金、繰越金、諸収入
維持補修費、貸付金、出資金、積立金、他会計繰出金
財政調整基金、減債基金、ふるさと基金、温泉施設基金、国際交流基金、教育施設整備基金、リーディングファーマーズ銀行基金、森林環境譲与税積立金