○美しいまち三川をつくる環境条例

平成7年3月17日

条例第11号

前文

私達の町三川は、西は日本海、北に秀峰鳥海山、南東は霊峰月山を主とした出羽三山や朝日山系に囲まれた田園風景優美な庄内平野の中央部に位置し、四季折々の恵みに育まれ、豊富な水と緑が織り成す悠久の自然と、先人が守り育ててきた数々の歴史・文化遣産を受け継いできた。

私達は、これら先人の意志を尊び、今後とも町民が共有する自然と環境を護り、活かし、そして創りあげて、後世に引き継がなければならない。

ここに、全町民がそれぞれの責務を自覚し、互いに協調するとともに、すべての英知と総力を結集し、美しく誇り高い郷土づくりをめざし、良好な環境の保全と創造に努めることを決意し、その実現のためこの条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、町長、町民及び事業者が互いに協調して、この町の良好な環境の保全及び創造を図り、健康で安全かつ快適な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、「良好な環境」とは次に掲げる条件を満たしている環境をいう。

(1) 事業活動その他の人の活動に伴い発生する公害等により、町民の健康及び生活が阻害されていないこと。

(2) 循環を基調とした生態系が健全な状態に維持され、町民と自然の豊かなふれあいが確保されていること。

(3) 身近な自然、潤いのある景観、特色ある優れた町並み等が保全又は創造され、美しく誇り高い郷土づくりがなされていること。

(4) 高齢者や身体に障害のある人をはじめ、すべての町民に対し安全で快適な福祉環境が整備されていること。

(5) 史跡、文化財その他の文化歴史環境が適正に保全されていること。

2 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 事業者 町内で事業活動を行うすべての事業者をいう。

(2) 緑花木 花卉及び花木類その他街並みの緑化に資するものをいう。

(3) 所有者等 土地又は建物の所有者、占有者及び管理者をいう。

(4) 廃棄物 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。

(5) 空き地等 住宅地及びその周辺の空閑地、休耕地等をいう。

(6) 空き缶等 飲食料品等を収納していた缶、びん、その他の空容器をいう。

(町長の責務)

第3条 町長は、良好な環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定、実施し、町民が安全で快適な生活を営めるよう努めなければならない。

2 町長は、町民に良好な環境の保全及び創造に関する知識を普及させ、かつ、町民の意識の高揚に努めなければならない。

3 町長は、国、県及び近隣の地方公共団体との連携を密にし、広域的な見地での良好な環境の保全及び創造に努めなければならない。

4 町長は、環境破壊の恐れがあり、その防止に関し国又は県の措置が必要であると認めるときは、国又は県に対し必要な措置を講ずるよう要請しなければならない。

(町民の責務)

第4条 町民は、良好な環境の保全及び創造について関心を高め、地域の良好な環境の形成に努めるとともに、自らの活動が良好な環境を壊すことのないよう配慮し、町長その他行政機関が実施する良好な環境の保全及び創造に関する施策に積極的に協力するものとする。

2 町民は、自然環境の保全及び緑豊かな町の実現に努めるとともに、郷土の文化的遺産を継承し、人にやさしく人間性豊かな生活を創造し、かつ、発展させるよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、その事業活動により良好な環境を破壊することのないよう、自らの責任において適切な措置を講ずるものとする。

2 事業者は、自らが積極的に良好な環境の保全及び創造に努めるものとする。

3 事業者は、町長その他行政機関が実施する良好な環境の保全及び創造に関する施策に積極的に協力するものとする。

(緑化等の推進)

第6条 町長は、緑豊かな街並みの景観確保に資するため、町民及び事業者が積極的に緑花木の植栽に努めるよう、必要な知識の普及と意識の高揚に努めなければならない。

2 町長その他の公共施設の管理者は、その管理する学校、公園、広場、道路その他の公共施設に緑花木を植栽し、かつ、適正な管理に努めなければならない。

3 町長は、国等が行う公共事業の実施にあたっては、緑花木の積極的な植栽及び適正な管理に努めるよう要請するものとする。

4 町民及び町内会は、所有又は管理する土地等に緑花木を植栽し、かつ、適正な管理を行い、緑豊かな郷土づくりに努めるとともに、町長その他行政機関が実施する施策に協力するものとする。

5 事業者は、事業所等の敷地に緑花木を植栽し、かつ、適正な管理を行い、当該事業所等の緑化に努めるものとする。

(町の木、町の花)

第7条 町長は、町の木、町の花を定め、緑化思想の高揚と町の特色づくりを推進するものとする。

(緑地等の保全)

第8条 町長は、良好な環境の保全及び創造を図るため、農地及び河川敷等緑地の積極的な保全を図るとともに、都市公園等の公園整備並びに自然緑地の整備に努め、緑豊かな街並み景観の創造に努めなければならない。

(公害の防止)

第9条 町民及び事業者は、その活動により大気の汚染、水質の汚濁、騒音、振動、悪臭等を生じさせ、人の健康又は生活環境を損なうことのないよう、必要な措置を講じなければならない。

(公共の場所等の美観保持)

第10条 すべての町民及び旅行者等(以下「町民等」という。)は、みだりに道路、広場、河川、水路その他の公共の場所、若しくは民有地等に廃棄物を捨て、又は放置等により、美観を損ね、又は汚損するなどの不衛生な行為をしてはならない。

2 土地又は建物の所有者等は、常にその所有又は管理する場所において、廃棄物の散乱を防止するとともに、みだりに廃棄物が捨てられないような環境整備に努めなければならない。

(空き地等の管理義務)

第11条 空き地等の所有者等は、当該場所の適正な管理に努めなければならない。

2 空き地等の所有者等は、火災等の災害発生を防止するため、雑草又は枯れ草等の可燃物を恒常的に除去、処分するとともに、衛生害虫等の発生防止に努めるなど、周辺環境の維持向上に関し必要な措置を講じなければならない。

3 空き地等を作業場及び物置場又は駐車場等として利用し、又は利用させているときは、そこでの作業又はそこに置かれた物等により、近隣住民等の生命、身体に危害を及ぼし、又は生活環境を阻害することのないよう必要な措置を講じなければならない。

(空き缶等の散乱防止)

第12条 町長は、空き缶等の散乱による生活環境の悪化を防止するため、町民等に対し空き缶等散乱防止の意識高揚に努めなければならない。

2 町民等は、空き缶等の散乱を防止するため、家庭の外で自らが生じさせた空き缶等を持ち帰り、又は回収容器に収納するよう努めるとともに、町長その他行政機関が実施する施策に協力するものとする。

3 事業者のうち、缶、びん、その他の容器に収納した飲食料品等を製造する者及び当該物を店舗又は自動販売機において販売する者は、再利用又は再資源化可能な容器の利用に努めるとともに、販売する場所に空き缶等の回収容器を設け、自らの責任において適正に処分し、空き缶等の散乱防止を実施しなければならない。

(家庭及び事業所等からの排水の処理)

第13条 町長は、家庭及び事業所等の厨房、浴室等の排水による水路、河川等公共用水域の汚濁の防止を図るため、生活排水処理計画を定め、下水道等の整備に努めなければならない。

2 町民及び事業者は、下水道等整備に関する施策に協力するとともに、土地又は建物の所有者等は、排水管及び汚水ます等排水設備の機能保持に努めなければならない。

(特定環境形成地域等の指定)

第14条 町長は、良好な環境の保全及び創造を図るために必要があると認めるときは、特定の地域、景観、建造物及び樹木等を特定環境形成地域等として指定することができるものとする。

2 町長は、前項による特定環境形成地域等を指定しようとするときは、当該地域等の関係者及び審議会等関係機関の意見を聴かなければならない。

3 町長は、特定環境形成地域等を指定したときは、その旨を告示するものとする。

4 前2項の規定は、特定環境形成地域等の指定の変更又は解除について準用する。

5 特定環境形成地域等に指定された地域等において、良好な環境の保全及び創造に影響を及ぼす恐れのある土地の造成、建造物の建築、樹木の伐採、屋外広告物の掲示その他の行為をしようとする者は、あらかじめ町長と協議しなければならない。

(福祉環境の整備)

第15条 町長は、高齢者や身体に障害のある人をはじめ、すべての町民が建築物等を安全かつ快適に利用できるような福祉環境の整備を図るため、必要な知識の普及と意識の高揚に努めなければならない。

2 町長その他の公共施設の管理者は、その管理する公共施設の福祉環境の整備に努めなければならない。

3 町民及び事業者は、その所有又は管理する建築物等の福祉環境の整備に努めるものとする。

(審議会等の設置)

第16条 町長は、必要に応じ、良好な環境の保全及び創造のための重要事項について審議する審議会その他の機関を設置することができる。

(助言及び指導等)

第17条 町長は、良好な環境の保全及び創造を図るため、町民及び事業者に対し必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。

2 前項の規定による助言又は指導に基づいて行う措置等に要する費用の一部について、予算の範囲内で助成することができる。

3 町長は、前2項の指導及び助成を行ったときは、その措置に関して必要な報告を求めることができる。

(協定等の締結)

第18条 町長は、良好な環境の保全及び創造のために、必要があると認めるときは、町民及び事業者と協定等を締結することができる。

(勧告及び公表)

第19条 町長は、公害等により著しく環境を悪化させる行為をし、又はその恐れのある行為をしようとする者に対し、必要な勧告を行い、勧告を受けたものが勧告に従わないときは、その内容を公表することができる。

(委任)

第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、平成7年4月1日から施行する。

美しいまち三川をつくる環境条例

平成7年3月17日 条例第11号

(平成7年3月17日施行)